かわら版2015‐10号(2015/5/29)が発行されました

組合は、軍事研究禁止という東大のプライドと伝統を大切にします。
ダウンロードできます⇒2015‐10「私たちは軍事研究禁止を再確認する」20150529

「私たちは軍事研究禁止を再確認する。」

―益川敏英氏(ノーベル物理学賞受賞)も賛同者に―

さる5月20日「お昼休み東京大学の軍事研究禁止の原則を再確認しよう!」昼休み集会を行いました。
久しぶりの学内集会ということもあり、宣伝不足や当日のPA(拡声器)の不備もあり、万全の盛り上がりとは言えませんでしたが、学内外からの力強いメッセージをお寄せいただけました。また益川敏英さんよりこの集会の趣旨に賛同する旨のお言葉をいただきました。IMG_0276
軍事研究禁止の正当性を参加者一同再確認し、その決意を集会決議として表明するに至りました。また当日は200枚のビラを配布し、安田講堂前に憩う人々に、私たちの主張への賛同を呼びかけました。2015.5.20集会決議声明
当日参加できなかった方々にむけて当日の発言をかいつまんで紹介します。(詳しくは東職ホームページからご覧いただけます。)
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◎工学部教職員組合
「悪魔に魂を売っても、月まで行けるロケットを作りたかった」フォン・ブラウンになってはいけない。「軍事研究はやらない。」という明確なガイドラインを打ち出すべきだ!
◎生産技術研究所職員組合
本研究所の前身は、戦中1942年に軍事研究のために設置された「東大第2工学部」だ。その反省から、教員・研究者・職員は軍事のために利用されていないか、誰よりも注意が必要と考えている。
◎井野博満さん(東京大学名誉教授金属材料学専攻)
重要なのは、研究者が広い視野をもって、自分の研究分野がどう応用されようとしているのか、軍事技術に限らず、反人間的な目的に使われていないか、自分を律すること。「軍事に近い研究はやめてはどうか」と周囲の人々が言える雰囲気を研究室や学科内でつくりだすこと。軍事研究との関係を断つための「研究倫理委員会」(仮称)の設置を
◎池内了さん(名古屋大学名誉教授・軍学共同反対アピール署名の会代表)
軍事開発に協力することは「人格なき学問、人間性に欠けた学術」への堕落。大学人としての品格と矜持を持って、世界の平和と真理そして人々の福利のための学問を追究するという大学の目標を忘れてはならない。
◎佐藤和宏さん(本学文系大学院院生)
大学は真理追求の場でなければならない。学問は、性別や人種や地位や身分や研究領域を超えて、誰にとっても享受できるものでなければならない。権力からの介入や、軍事大国化への途を開くという選択肢は許されないはず。
◎阪本成一さん(国立天文台職員組合)
国立天文台では、1988 年の発足に際して「国立天文台は、いっさいの軍事研究に協力してはなりません。私たちは、あらゆる軍との協力・共同研究を行わず、武器の開発を直接の目標としたプロジェクトへは参加しません」と明確にし、現在も維持している。
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大学運営に責任ある立場の教職員に対して、今回の集会のような活動が訴えかける力は、決して無視できるものではない、と私たちは確信します。もしそうでないとするならば、東京大学が知性の府である誇りは地に落ちたと言うべきでしょう。
安保法制が国会で審議され、軍事大国化に前のめりに踏み出そうとしている現在。東京大学の選択に、日本中の研究者が、市民が注目しています。東大の社会的責任が問われています。
改めて、学生・院生・研究員、そしてあらゆる教職員が、理系・文系を問わず、真摯に向き合い・考え、そして静かにしかし熱く行動することを呼びかけます。
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下村文科大臣、国立大学での君が代斉唱の徹底を要請。反対の意思表示を!
さる4月9日の参議院予算委員会での次世代の党の質問への安倍晋三首相の答弁を機に、文部科学省は国立大学に対して、入学式、卒業式において国旗(日の丸)を掲揚し、国歌(君が代)を斉唱するよう各大学に要請するとされています。
アジア各国からの留学生を招くなど大学の国際化が進められている現状に逆行し、憲法の定める思想信条の自由・学問の自由に抵触する動きに強い危惧を禁じえません。
「学問の自由を考える会」がこれに反対する声明への賛同を呼びかけています。ホームページは以下となります。http://academicfreedomjp.wix.com/afjp
積極的な署名をお願いします!