かわら版新年号

働きがいのある職場と平和で開かれた社会の実現を

今年もよろしくお願いいたします

東京大学教職員組合2022年度執行部一同

新年のこの日に

 数年後から見ると、2022年は、転換の年だったということになるのかも知れません。

 コロナ禍が弱まり、物価が上昇しています。その中で、東京大学においては、常勤教職員の収入は上りつつありますが、短時間勤務職員の時給の上昇には繋がっていません。また、「ダイバーシテイ」や「インクルーシブネス」という標語は示されるものの、高齢の学生や障がい者の学生の教育については、ほぼ教員に丸投げです。大学執行部には、厳しい環境にいる人や社会的弱者に対する想像力が欠けており、彼らは短絡的思考に陥っています。

 このような短絡的思考は、東京大学に限られたものではありません。前政権による日本学術会議の委員任命の不承認が是正されることなく、現在では会員選考に介入する「第三者委員会」の設置が取りざたされています。また、防衛予算はすでに文教予算を大きく超えており、さしたる議論もなく肥大化しつつあります。世界に目を向けてみると、プーチンや習近平など、老齢男性の暴力的性向が人類の危機をもたらしています。

 戦時下の苦しみや戦争の危機が、日々の話題に上るようになりました。足元の東京大学から広くは世界まで、話し合いや相互理解を避け、とにかく自分こそに決定権があるのだ、自分勝手な決定や暴力を厭わないのだ、という誤った権力観が横行しています。表層的な標語が声だかに叫ばれ、内省も批判的思考も説明責任も避けられ、責任もなく真偽も不確かな情報が大きな影響を及ぼしています。

 その背景には、知的なものの後退があります。ますます暴力的になりつつあるこの時代に、まずは東京大学においてこそ、知的なものを取り戻さなければなりません。そのために、2023年も、教職員組合の皆さんと、一緒に活動できることに喜びを感じています。

東京大学教職員組合執行委員長 岡田泰平

賃金労働部会より


謹んで新春の慶びを申し上げます。
コロナ禍の影響もあり、ここ2年ほど活動を休止していました。
その中でベテランの部会の方たちが退職等され、活動できていない状況でした。
昨年より新規メンバー参入により、活動を再開したところです。

早急に解決しなければいけない課題があります。

上の図は東京大学の事務職員(図書を含む)と技術職員の年齢構成を表したグラフです(2021 年度)。これによりますと 48-51 歳を中心に 44-55 歳で非常に大きな山があり、他の年代の 2 倍を超える年齢層があることが分かります。

事務職の場合ライン制ですので、上のポストに就けないと級が上がらず、昇級がほとんど見込めない状況です。

また、技術職員は技術専門員の割合の目安があり、技術専門職員から技術専門員への昇任が遅れ始めています。この問題を解決するために、事務職員については大幅なポスト増が難しい現状で、エキスパートなど新たなキャリアパスを使った昇格、昇級の実現、及び技術職員については、技術専門員のポスト数を一時的にでも増やしてもらえるように大学本部と協議中です。

その他、職員の定年年齢の引上げにかかわる問題や年俸制の教職員等の待遇改善なども大きな課題となっております。職組の垣根を越えて、賃金労働問題解決に向けて取り組んでいきたいと思います。本年も引き続きご指導・ご支援の程よろしくお願いします。


賃金労働部会一同