すべての有期雇用教職員に対する5年上限と6ヶ月クーリングを東京大学は完全撤廃しました!

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すべての有期雇用教職員に対する5年上限と6ヶ月クーリングを東京大学は完全撤廃しました。無期転換への道が現実のものになりました。
各部局の人事・採用責任者におかれましては、有期雇用教職員の契約更新上限の無効性を十全にご認識・ご理解の上、雇い止め(契約更新拒否、不当解雇)を行うことの無いよう注意喚起ください。
有期雇用教職員におかれましては、万一不当解雇された場合は地位保全・原状回復の手続を潤滑に行えるよう、今のうちに東京大学教職員組合(東職)へのご加入をお勧めします。
2017年(平成29)12月21日

2018年問題 凱旋@東大 2017年12月19日 東京大学教職員組合(東職)
○短時間勤務有期雇用職員(事務補佐員、技術補佐員など全学で約5千人)については、2004年法人化時の就業規則制定で「5年上限」を導入。その後、5年間勤続した職員が再採用されるまでに一定期間を空けるいわゆる「クーリング」が全学的に運用されていました。更に2013年の労働契約法改正時、このクーリングを「最低6ヶ月」とする運用が開始。
東職+首都圏大学非常勤講師組合との本年8月7日・9月21日の団体交渉で東京大学本部は、このクーリングを2018年度から降ろすことを英断。更に直近11月9日の団体交渉で、年度明けを待たず、年度内再採用者に対してもクーリングを降ろすと決定。
これにより、短時間勤務有期雇用職員のままでの5年超勤続の可能性が開かれ、労働契約法18条に基づく2018年度以降の無期雇用転換申込権発効者は短時間勤務有期雇用職員には現れ得ないという従来の状況が覆り、短時間勤務のままで無期雇用転換する道が開かれました。しかし、再採用には公募等の競争選抜を経なければならないという問題は残っておりました。

そもそも全学一律の5年上限ルールは、以下の両様の意味で労働契約法18条の主旨に反しておりました。まず業務の多様性にも拘らず「全学一律」の契約更新上限を設けることは不自然であり、労働契約法潜脱が当然疑われます。
しかもその上限を「5年」とすることは、労働契約法18条による無期雇用転換申込権発生の前日に雇止めすることに他ならず、「無期転換申込権発生直前に雇止めを行うことは望ましくない」という厚労省の公式見解に抵触します。
東大本部はこの問題を認め、12月12日の科所長会議(学内部局長会)で一律上限の廃止を発表しました。
残る課題は、年度内に旧学内ルールによる契約更新上限を迎えてしまう現有職員の処遇です。特に旧規定により既に公認の公募が出、現職がそれに応募する形でしか継続雇用の道が開かれない場合、選考が少しでも無期転換阻止・雇止め外部からの新任者への挿げ替えへ傾くことの無いよう、労組・世論・行政・法曹・報道が一体となって警戒・監視を続けていくことが肝要です。

○大学内に現有の短時間有期雇用職の大半を占める「補佐員」(事務補佐員、技術補佐員、教務補佐員)を3年上限の「補助員」に格下げするというこれまでの本部案も、同時に撤回を見ました。学内における待遇格差を拡大しかねないこのような構想が未然に防止されたことは、大きな成果です。
同時に提案されていた無期採用の「職域限定職員」(部局採用の限定正職員)構想については現在のところ依然、フルタイム限定とされており、家庭責任等を負わない労働者たちを優遇・優先雇用する間接差別的な発想ではないか、との疑義は既に東職より本部側へ伝達してあり、今後の改善・柔軟化をぜひ期待したいところです。

*2017年12月19日 厚生労働省記者会見資料より抜粋