【終了】8/21(月)18:30~第14回東職シネマカフェ 明治初期の北海道開拓を描く「大地の侍」

夏の夕涼みをかねて東職シネマカフェを企画しました。
予約不要・鑑賞無料です。*お飲み物(有料)は用意しています。

2017年8月21日(月) 18:30 開映(開場18:00)
会場:東京大学教職員組合組合室(生協第2食堂3階奥)
今回の上映は、明治初期の北海道開拓を描く幻の映画「大地の侍」です。
幕末、戊辰戦争の敗者は、朝敵の汚名を着せられた。藩の石高は減らされ、家臣は禄を離れ生活の道を閉ざされる。残された北海道原野の開拓という過酷な道を選び、侍たちは維新を迎えます。
この作品は、仙台藩支藩の岩出山藩の人々が石狩当別に入植した史実を描いた壮絶な開拓物語。主人公のモデルは岩出山藩の元家老阿賀妻謙(吾妻謙)と藩主伊達邦夷(伊達邦直)です。

原作は本庄陸男『石狩川』(1938年刊)。
本庄は1905年に石狩川のほとりに生まれ、作者の父は佐賀県出身の士族、維新前は鍋島藩主の側近であり、作者の生れる10年前にこの地の開拓民として移住してきました。
そんな「われらの父祖の思いを覗いてみようと石狩川の興亡史」を書くために現地調査と資料集めを開始したのは日中戦争のさなかです。

本来ならば原作『石狩川』はその長大な歴史小説の第一部にあたります。
幕末から明治、そして明治の中期、大正、昭和と続く大河歴史小説が未完とならざる得なかったのは、作者が刊行のわずか2ヵ月後に34歳で病没したためでした。この作品は芥川賞候補となり、作者の死後に重版を重ねました。
長らく絶版となっていましたが、2011年5月に新日本出版社より復刊されています。

【作品情報】「大地の侍」 1956年 東映作品 66分 モノクロ
原作:本庄陸男『石狩川』 監督:佐伯清 撮影:藤井静 時代考証:木村荘八
主なる出演者:大友柳太朗、高千穂ひづる、三条美紀、杉村春子、千田是也ほか
*ネットによるストリーミング上映となります。