東京大学職員組合 「東京大学における軍事研究禁止の原則の堅持を訴える声明」を発表しました

声明文全文 はこちらからダウンロードできます。軍事共同禁止東京大学における軍事研究禁止の原則の堅持を訴える声明

特定秘密保護法の制定や憲法第9条の趣旨を空洞化させる解釈改憲、さらに武器輸出三原則の変更などに象徴される政治の右傾化のなかで、昨今東京大学に対して、軍事研究への協力を強要する動きが高まっています。大学当局が軍事研究禁止という東京大学の原則に鑑み、現下こうした圧力を排除していることは評価に値するものながら、政官財を挙げた策動は日に日に強まっており、状況は危急の様相を呈しています。私たちは、東京大学における諸活動に関わるものとして、学知の府たる東京大学が将来にわたって軍事研究禁止の原則を堅持すべきことを強く訴えるとともに、大学当局にあってもかかる認識を更に深化させ、広く学内外にむけて東京大学の社会的責務を発信してゆくことを求めます。

第二次世界大戦下、日本の諸科学が直接・間接に戦争遂行に協力し、結果として多大な戦禍を内外にもたらしたことは、学術に関わるものとして決して忘れてはなりません。戦後に発足した日本学術会議は、1950年4月に「戦争を目的とする科学研究には絶対従わない決意の表明」を行い、戦時下の反省と総括から学術の再構築を図りました。新制東京大学においても、南原繁総長のもとで「軍事研究に従事しない、外国の軍隊の研究は行わない、軍の援助は受けない」という原則のもと、大学の再建が進められたところです。こうした原則は、歴代総長に受け継がれ、軍事研究との関連が問題となった1959年・1967年には、東京大学評議会においても明確にこれを禁じることを確認しています。さらに東大紛争収束から間もない1969年3月、時の総長代行加藤一郎(後に総長)は、軍事研究に関与しないこと、大学の自主性のない産学共同を廃すべきことを、職員組合に約束し、これを確認書に明記しました。かかる精神は、今日東京大学を運営するにあたっての基本原則たる東京大学憲章に反映され、「東京大学は、研究が人類の平和と福祉の発展に資するべきものであることを認識し、研究の方法および内容をたえず自省する。東京大学は、研究活動を自ら点検し、これを社会に開示するとともに、適切な第三者からの評価を受け、説明責任を果たす。」(「Ⅰ学術」「研究の理念」)と定められています。
 
いうまでもなく特定秘密に固められた軍事研究は、「人類の平和と福祉の発展」とは相容れざるものであり、かつ学術活動を社会に開示してゆくという東京大学の基本姿勢になじむものではありません。私たち東京大学の構成員は、先人たちの反省とそれに発した営為を継承し、責任ある学術の姿勢を示してゆかねばなりません。いま安倍政権は、解釈改憲などを通じて、再び世界に軍事力を誇示し、武器輸出を日本経済再生の梃子とすることを目指すとともに、学校教育法の改悪により大学の自治や学問の自由を脅かし、学術的成果を上記の目的に都合よく援用することを狙っています。こうした圧力から大学本来の使命を守るため、東京大学職員組合は、東京大学が軍事研究禁止の原則を堅持し、人類の幸福に寄与する学術・研究に邁進することを強く訴えます。
 
   2014年7月15日
                                東京大学職員組合

東京大学の軍事研究を行わないという基本原則・慣行に関し、産経新聞紙上に「軍事研究をさせないのは学問の自由に反する」という記事が掲載されました(2014.5/1)。
次いで同じく産経新聞に東大当局と東大職員組合間での軍事研究禁止等の確認書に関し、東大広報課では確認書は現存していないとの回答が掲載されました(5/16)。
東京大学職員組合では昭和44年(1969)3月5日、東職執行委員長と加藤一郎総長代行との間で取り交わされた確認書が現在も有効であること、引き続き軍事研究を行わない基本原則・慣行を堅持すること等、総長へ要望書を提出しました(6/18)。
要望書および確認書はこちらからご覧になれます。⇒
◎2014年6月18日2014年6月18日「軍事研究を行わない管理運営への要望書」
◎1969年3月5日1969年3月5日「東京大学当局と職員組合との確認書」

東京大学職員組合はここに改めて「東京大学における軍事研究禁止の原則の堅持を訴える声明」を公開します(2014.7/15)。

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